「わかる」に行き着くために その1


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 授業で説明を聞いてもすぐその場で理解できるとは限りません。「わからない」状態から「わかる」状態へ移行するには段階を踏む必要があります。例を挙げて考えてみましょう。

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例1.あまりのあるわり算(小4)

     922÷16


 たし算やかけ算と違ってわり算の筆算は機械的に行うことができません。92 の中に 16 がいくつ入っているか探すには試行錯誤が必要です。頭の中で数を扱うことに慣れるにはそれなりの時間がかかります。

例2.1kL は 何立方㎝ ですか。(小6)

 小学6年ではメートル法の仕組みを学びます。 1kL = 1,000L = 1,000,000mL といった横の関係と 1mL = 1立方cm のような縦の関係を理解して単位を換算するにはやはり時間をかけて練習しなければなりません。

     ◆◇◆◇◆
例3.ある品物に仕入れ値の3割の利益を見込んで定価をつけましたが、売れないので定価の 14%引きの 3,354円にしたら売れました。利益は何円になりましたか。(小5)

 この問題を解くには前提として次の知識が必要です。

○もとにする量・割合・くらべる量の関係
○小数・百分率・歩合の換算
○仕入れ値・定価・売り値・利益の意味と関係


 これを踏まえて数字の意味を読み取り式を立てて答えを導きます。一から教えようとすればなかなか手間のかかる問題です。

     ◆◇◆◇◆

 何かが理解しにくいときは単に手順が複雑であるだけでなく、新しい概念が登場したり概念の組み替えが起こったりして、自分を取り巻く知識空間の変容を伴うことが多いようです。

 たとえば、わり算は九九を唱えれば楽勝だと思っていた子どもは、ときどきあまりが出るというややこしい追加ルールに閉口することでしょう。

 1㎞ が 100mなのか 1,000mなのか半分勘に頼っていた子どもは、それが壮大な単位の体系の一部であると知ればイヤな予感がするに違いありません。

 普通の子どもなら、もとにする量・割合・くらべる量というような概念は想像したこともなかったでしょうし、仕入れ値とか定価といった言葉も使わないでしょう。

     ◆◇◆◇◆

 新しいことがわかりにくく受け入れがたいのは当然です。自分が馴染んでいる知識が形を変えれば、不安を感じ心理的なストレスを抱きます。拒否反応も出るでしょう。

 しかし、そのストレスを克服するからこそ思考は鍛えられ広い次元の視野が開けます。新たな環境に接し豊富な概念を武器にしてより深く世界を見ることができるようになります。

(次の記事に続きます)
あさのは塾便り::勉強・子育てなど | 07:50 AM | comments (x) | trackback (x)

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