語呂合わせ勉強法(2)


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・産医師異国に向かう(3.141592…)

 近頃は携帯が普及して、電話番号を覚える必要はなくなりましたが、昔は、たいがいの連絡先の番号は暗記していたものです。

 当時を思い起こしてみると、数字の並びに一種の表情が感じられて、それが記憶の助けになっていたようです。頭を使わなくなるにつれて、なにがしかの能力を失いつつある気がします。

  「円周率を覚えた!」と言って、延々と唱えている生徒がいました。それが直接役に立つわけではありませんが、若い間の一時期に記憶力を鍛えることは、決して無駄なことではありません。


・鳴くよウグイス平安京(794)
 歴史年号を語呂合わせで覚えた経験は誰にでもあるでしょう。「いい国作ろう鎌倉幕府」(1192)、「白紙に戻す遣唐使」(894)、「いっさかさっさと逃げちゃった」(1333鎌倉幕府滅亡)、「以後世盛んに鉄砲戦」(1543)、「以後よく栄えるキリスト教」(1549)など、先を争って覚えたものでした。

 歴史は暗記物ではありませんが、要所要所の年号を覚えれば、知識がピシッと整頓されます。大学受験の歴史では地域間の横の比較も必要ですから、とにかく頭に入る年号は詰め込んだ方が有利です。

 年号暗記法はいくつも出版されているので、駄洒落の相性が合うものを一冊持っておくと宜しいでしょう。

 総理大臣の覚え方というのもありましたね。最初の文字をつないで「イクヤマイマイ、オヤイカサカサ…」(伊藤博文、黑田淸隆、山縣有朋…)と覚えていきます。参考書で知った方法ですが、ネットで検索してみるとこれも相当伝統的なもののようです。


・2列に綴れ、前漢後漢(202-220)

 学生時代に通った代々木ゼミナールの山村先生(世界史)は、語呂合わせが上手な方でした。何十年経った今でも忘れないのですから、その威力は大したものです。

 例えば、「しくじってペルシャ戦争しなくなり」(ペルシア戦争492-479)から始まって、アケメネス朝ペルシア「キロカンダリクダリ」(キロス、カンビセス、ダレイオス…)、ローマ三頭政治「お前たちはボンクラカイ、早くオワレ」(ポンペイウス、クラッスス、カエサル+オクタビアヌス、アントニウス、レピドゥス)、五賢帝「ネルトラハドリ、アントマルクス」(ネルヴァ、トラヤヌス…)、三国時代「ギラクショクセイ、ゴケンギョー」(魏→洛陽、蜀→成都…)、鉄のカーテン「フェラリとポチはユーゴ」(フィンランド、エストニア、ラトビア…)などなど、枚挙に暇がありません。

 イギリスの選挙法改正(1832,1867,1884,1918,1928)「闇に、止むなく、囃したが、悔いはなく、苦にはならない」に至っては、なにやら文学的な趣さえあります。
(と思って、某掲示板を検索していたら、「ミニーの胸毛端までいっぱいふわふわ」という覚え方もあるそうです。いや、ほんとに語呂合わせは奥が深い…)


・だまされたと思って

 この手の語呂合わせは好きな方で、学生時代からなるべく書き留めて来たのですが、私が喋った駄洒落をノートに書き取る生徒がいると、微笑ましくなります。

 一方、さっぱり興味を示さない生徒もいますが、この効き目はやってみた人にしかわからないものです。

 こういう工夫やコツは数限りなくありますが、参考書にわざわざ載る程のものではなく、授業の合間に、何気なく話のネタとして語られるにすぎません。

 でも私としては、その昔、師匠が弟子に口伝を託したように、わざわざ学習塾に通って下さる生徒さんへの、奥義の伝授だと密かに考えているのです。
あさのは塾便り::勉強・子育てなど | 11:30 PM | comments (x) | trackback (x)

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