持ち上げてみる


あさのは塾ブログ

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 テレビをつけたら、プロサーファーの男性を取材していました。海が似合う小麦色の肌に引き締まった身体、羨ましい人生です。

 さて、彼は車にミキサーを積んでいて、海岸でスムージーを飲むと言います。スムージーならまんざら知らないわけじゃないと、変な対抗心を燃やして見ていました。

 バナナ、アボガド、豆乳、ナッツとかを入れて、ブーンと回して出来上がり。そんなに珍しくはないなあ。

 ところが、グラスに注ぐのかと思いきや、やおらミキサーの大きな容器を持ち上げ、口をつけて豪快に飲み始めたので、やっぱりすごいなと感じ入ったことでした。

     ★☆★☆★
ある日僕は思った
僕に持ち上げられないものなんてあるだろうか

次の日僕は思った
僕に持ち上げられるものなんてあるだろうか

暮れやすい日日を僕は
傾斜して歩んでいる

これらの親しい日日が
つぎつぎ後へ駈け去るのを
いぶかしいようなおそれの気持でみつめながら

(谷川俊太郎『日日』)

     ★☆★☆★

 持ち上げてみないと、持ち上げられるかどうかはわかりません。でも、持ち上がれば私たちの可能性は広がる。

 動かないと思っていたものが根こそぎ動いたとき、世界はがらっと一転し、外には新たな地平が開けます。

 人生を楽しむなら、やっぱり持ち上げてみることでしょうね。

     ★☆★☆★

 「とうさまの りょうしは、まったく りょうの 名人で、小さな ふねを ウマみたいに あやつって 海に のりだし、もどってくる ときにはふねに つみきれないほどの さかなを とってきました。

 いつだったかは でっかい クジラを つりあげて、ふねには どうしても つみきれず、ふねの ほうを クジラに つんで、もどってきた ことも ありました。」

(今江祥智『ぽけっとの海』)

あさのは塾便り::本・映画など | 02:29 AM | comments (x) | trackback (x)

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