百人一首 4 その1


あさのは塾ブログ

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 今年は百人一首の歌の中から、学校の授業でよく習うものを読んでみます。

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大江山 いくのの道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立
                    (小式部内侍 こしきぶのないし)


 キーワードは「聡明な少女」「機知に富んだ返し」「気負わない」

「聡明な少女」
・和泉式部という才色兼備の歌人がいたが、小式部はその娘。
・母に似て美しく歌才があり早くから宮廷デビュー。
・若いうちから歌が上手く母親が代作していると勘繰る人もいた。
「機知に富んだ返し」
・この歌を詠んだのは15歳くらい。今で言えば中3。
・藤原定頼が「母からの代作の手紙は届いたのか」とからかったら、すかさずこれを詠んで返した。

 和歌の工夫に掛詞(かけことば)というものがあって、一つの言葉に二つ以上の意味をのせることがある。言葉のシャレを利用して少ない文字数で多くを語る技法。

 この歌では「丹後への道に足を踏み入れたことはない」と「丹後からの母の文(ふみ)を目にしてはいない」とを掛けている。

「気負わない」
・たくさん工夫がされているが、歌全体は素直な返答、柔らかなリズム。
・気負いもなく穏やかな余韻。

 ちょっかいを出した定頼は20歳くらい。当時の上流階級の若者たちのエピソードですね。人気のあった彼女ですが、26歳で出産のときに亡くなったということです。

(次の記事へ続きます)
あさのは塾便り::本・映画など | 08:31 AM | comments (x) | trackback (x)

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